この記事についてClaude(Anthropic)との共同編集により作成されました。
要約
- 簡単なWebアプリを無料で公開したくて、いまどんなホスティングがあるか調べ直した
- サービスは「フロント/Edge特化」「フルスタック/コンテナ」「BaaS」の3系統に分かれる
- 無料で帯域幅無制限なのは Cloudflare Pages だけ。商用利用も規約上OK
- Vercel Hobbyは商用利用NGで、広告付きブログからリンクを貼る使い方すら微妙な「広い定義」になっている
- Netlifyは静的サイト専用ではない。SSR/ISR/Edge Functionsまでフルサポート済み
- 自分の用途(広告付きブログから導線を引く個人プロジェクト)では Cloudflare Pages に倒すのが安全という結論
簡単なWebアプリを無料で公開したくなって、「いま無料で使えるホスティングサービスってどんなものがあるんだっけ」と調べ直した。数年前の感覚で止まっていたら、思っていた以上に選択肢が増えていた。
自分の用途は「個人で作った小さなアプリを置いておく」レベルで、重い処理もDBもいらない。だがブログ(このゆるディープ)から導線を引きたいので、商用利用の規約だけは外したくない。その観点で10サービスを横断的に整理したのが本記事。
サービスは大きく3系統に分かれる
調べていくと、Webアプリのホスティングサービスは大きく3つに分類できることがわかった^1。
| カテゴリ | サービス | 特徴 |
|---|---|---|
| フロントエンド / Edge特化 | Vercel, Netlify, Cloudflare Pages | Git連携・CDN・プレビュー環境が標準。静的サイト〜SSRまで対応 |
| フルスタック / コンテナ系 | Railway, Render, Fly.io | Docker対応・DB付帯・バックエンド中心。柔軟なインフラ構成 |
| クラウドベンダー系 / BaaS | AWS Amplify, Firebase, Supabase, Deno Deploy | 大手クラウドのエコシステム活用。認証・DB等の統合 |
自分のように「フロントだけのアプリを置きたい」「重いバックエンドはない」ユースケースなら、まず1番上のフロント/Edge特化系を見ればいい。フルスタック系は常駐プロセスやDBが要るとき、BaaS系は認証やDBまで一式で組みたいときの選択肢。
無料プランを横並びで眺める
主要10サービスの無料プランを、自分が一番気になる「放置で停止するか」「商用利用OKか」を軸に並べてみた。
| サービス | 帯域幅 | 放置で停止? | 商用利用 | 主な制限 |
|---|---|---|---|---|
| Vercel | 制限あり | しない | ❌ | Functions 4時間CPU |
| Netlify | 300クレジット(約15GB) | しない | ✅ | Analytics 1日 |
| Cloudflare Pages | 無制限 | しない | ✅ | Workers制限 |
| Railway | $1クレジット | - | ⚠️ 明示なし | 30日トライアル |
| Render | 5GB | 15分で停止 | ⚠️ 明示なし | コンピュート課金 |
| Fly.io | 従量制 | しない | ⚠️ 明示なし | 基本無料枠あり |
| AWS Amplify | 15GB/月(初年度) | しない | ✅ | 12ヶ月限定 |
| Firebase | 10GiB/月 | しない | ⚠️ 明示なし | ストレージ10GB |
| Supabase | 5GB | 1週間で停止 | ⚠️ 明示なし | DB 500MB |
| Deno Deploy | 20GB | しない | ⚠️ 明示なし | 100万リクエスト/月 |
※料金・規約は2026年5月時点。サービス側で頻繁に改定されるので、実際に契約する前に必ず各社の公式ページを確認すること。
この表で最初に気付いたのは、Cloudflare Pages の無料プランだけが帯域幅無制限という点だ。Render の15分で停止、Supabase の1週間で停止というのも個人プロジェクトとしては地味に厳しい。アクセスがあるまで放置できるサービスを選びたい。
そしてもう一つの軸が「商用利用」。ここが自分にとって本題になる。
疑問1: 広告付きブログからリンクを貼るのは「商用利用」か
このブログには控えめながらAdSenseが入っている。そこから自作Webアプリへリンクを貼った場合、デプロイ先のホスティングサービス的に「商用利用」とみなされるのか、というのが気になった。
アプリ本体に広告を貼るわけじゃない、収益化したいわけでもない、ただ流入元のブログに広告が入っているだけ——これがアウトな解釈になるのか、それともセーフなのか。
調べてみて一番厳しかったのが Vercel だった。Vercel Hobby の Fair Use Guidelines^2 にはこう書かれている。
Commercial usage is defined as any Deployment that is used for the purpose of financial gain of anyone involved in any part of the production of the project, including a paid employee or consultant writing the code.
「プロジェクトの制作に関わる誰かの金銭的利益」という非常に広い定義になっていて、禁止例として明示されているのが:
- サイト訪問者への課金・決済処理
- 製品・サービスの販売広告
- サイトの作成・更新・ホスティングに対する報酬受領
- サイトの主目的がアフィリエイトリンク
- 広告の掲載(Google AdSense等のオンライン広告プラットフォームを含む)
- 寄付の募集(Donationsも商用利用に該当)
デプロイされたサイト自体だけでなく、「プロジェクト関係者の金銭的利益全体」が対象。これを字義通り読むと、広告付きブログから Vercel デプロイ先にリンクを貼る運用は、ブログの収益化手段の一部として Vercel が利用されていると見なされうる、というグレーな解釈になる。
一方、Netlify は公式フォーラム^3 で「無料プランで商用利用OK、ホスティング自体の再販だけNG」と回答されている。Cloudflare の Self-Serve Subscription Agreement^4 Section 2.2.1(h) も、無料プランの制限は「クレジットカード情報の処理・収集の禁止」のみで、それ以外の商用利用に関する制限はない。
つまり、「広告付きブログからリンクを貼る」というだけで Vercel Hobby は外したほうがいい、というのが自分の結論になった。
疑問2: Vercelで作ってNetlifyにデプロイは規約違反か
ここで気になるのが、Next.js の create-next-app で作ったプロジェクトを、ローカルで開発して別のホスティングにデプロイする、という流れは規約上どうなんだという点だ。Next.js は Vercel が開発元のフレームワークだから、なんとなく「Vercel経済圏」のものを Cloudflare Pages に乗せていいのか不安になる。
Vercel の Terms of Service^5 を読むと、ここが明示されていた。
any software that we provide exclusively under open source licenses (including, without limitation, Next.js) are not covered by this Agreement
Next.js 自体は MIT ライセンス^6 で提供されていて、Vercel の規約が縛るのはホスティングサービス(Deployment)の利用であって、ソースコードの利用ではない。ソースコード側はオープンソースの世界の話なので、改変・再配布・別環境へのデプロイは自由。
整理するとこうなる。
- Vercel のテンプレートで
create-next-appする → ✅ OK - ローカルで開発・修正する → ✅ OK
- Netlify / Cloudflare Pages にデプロイする → ✅ OK
- そのデプロイ先で広告経由のリンクを貼る → ✅ OK(デプロイ先の規約に従う)
つまり「Vercel製の便利な開発体験は享受しつつ、ホスティングだけ Cloudflare Pages にする」というのが 規約上もまっとうな選択肢 として成立する。これは知っておくと精神衛生上ありがたい。
疑問3: Netlifyって静的サイト専用じゃなかったか
最後に確認しておきたかったのが Netlify の立ち位置だ。自分の認識は数年前で止まっていて、「Netlify は静的サイトホスティング、動的処理はやらない」というイメージがあった。が、いま改めて公式ドキュメントを見ると、Netlify は完全に動的コンテンツ対応のプラットフォームに進化していた^7。
| 機能 | 対応状況 | 実行環境 |
|---|---|---|
| SSR(Server-Side Rendering) | ✅ フルサポート | Netlify Functions |
| ISR(Incremental Static Regeneration) | ✅ フルサポート | Edge + CDN |
| React Server Components | ✅ フルサポート | Netlify Functions |
| Server Actions | ✅ フルサポート | Netlify Functions |
| Middleware | ✅ フルサポート | Edge Functions |
| Route Handlers / API Routes | ✅ フルサポート | Netlify Functions |
無料プランでもこの動的機能が使える。具体的な上限は以下の通り^8。
| リソース | Free枠 |
|---|---|
| Serverless Function呼び出し | 125,000回/サイト/月 |
| Edge Function呼び出し | 100万回/月 |
| 同期関数の実行時間 | 最大60秒 |
| バックグラウンド関数の実行時間 | 最大15分 |
| メモリ | 1,024MB |
| リクエスト/レスポンスペイロード | 最大6MB |
個人プロジェクト規模であれば、これでだいたい足りる。
ただし、Next.js を Netlify に乗せる場合は注意がある。Netlify は OpenNext アダプタ経由で Next.js を実行するため、Next.js の新機能対応は Vercel が先行し、Netlify は追従する形になる^9。比較的シンプルな Next.js アプリなら問題ないが、最新機能をいち早く使いたいケースでは Vercel の優位は残る。Astro や SvelteKit のように Netlify の公式アダプタが提供されているフレームワークの方が、Netlify では安定して動く印象がある。
結局どこに置くか
ここまで整理したうえで、自分のユースケース(広告付きブログから導線を引く個人プロジェクト)での優先順位はこうなった。
- Cloudflare Pages(第一候補)
- 無料で帯域幅無制限・放置で停止しない・商用利用OK
- グローバルCDN(300+拠点)で TTFB が速い
- 弱点は Workers ランタイムの制約だが、2026年から Docker サポートも追加され改善傾向
- Netlify(次点)
- 商用OK・組み込みフォーム・Astroで既に使い慣れている
- 帯域超過時の従量料金が高めな点は留意($55/100GB)
- Vercel(割り切り用)
- Next.js を学習したい・実験したい用途に限定
- 広告付きブログとの連携はリスクがあるので外す
汎用的な結論として並べるなら:
- Next.js 本番運用なら Vercel(規約クリアできる前提で)
- 静的サイト・無料運用優先なら Cloudflare Pages
- チーム開発でコストを抑えたいなら Netlify / Render
- DB付きフルスタックなら Railway / Render
- グローバル分散APIなら Fly.io
自分は今回 Cloudflare Pages を試す方向で進めることにした。
おまけ: ベンチマーク数値の扱い方
第三者の比較レビューサイトでよく見るパフォーマンス数値(TTFB、ビルド時間、総合評価スコア)は、参考程度に留めるのが安全だと思っている^1。
| 指標 | Vercel | Netlify | Cloudflare Pages |
|---|---|---|---|
| 平均TTFB | ~70ms | ~90ms | ~50ms |
| 平均ビルド時間 | 42秒 | 58秒 | 中間 |
| CDN拠点数 | 数十 | 数十 | 300+ |
数値はベンチマークサイト DevToolReviews(2026年)由来。テスト地域や時間帯、コンテンツサイズで結果は変動するので、絶対値として比較するより「相対的にCloudflareは速い傾向」「Netlifyのビルドは遅め」くらいの解像度で読むのがちょうどいい。総合評価スコア(Vercel 8.8 / CF 8.7 / Netlify 8.4)も同様で、選定の決め手にするほどの差ではない。
実際に動かしたときの体感とコールドスタートの挙動は、自分のアプリで計測するしかない。
まとめ
- 無料でWebアプリを公開できるサービスは、Vercel / Netlify / Cloudflare Pages の3強+フルスタック系+BaaS系で揃っている
- 商用利用の解釈は Vercel が最も厳しく、Cloudflare Pages が最もゆるい
- 「Vercel製のNext.jsを別サービスにデプロイ」はオープンソース部分の話なので規約OK
- Netlify は静的専用ではなく、SSR・ISR・Edge Functions まで使える
- 広告付きブログとの連携を前提にするなら、自分なら Cloudflare Pages を第一候補にする
数年ブランクを置いてからホスティングを選び直すと、選択肢の充実具合に驚いた。「無料で公開する」という体験のハードルは、確実に下がっている。
参考文献
- Vercel vs Netlify vs Cloudflare Pages 2026(DevToolReviews) https://www.devtoolreviews.com/reviews/vercel-vs-netlify-vs-cloudflare-pages-2026
- Vercel Fair Use Guidelines https://vercel.com/docs/v2/platform/fair-use-policy
- Netlify free plan commercial use(公式フォーラム) https://answers.netlify.com/t/can-we-use-netlify-free-plan-for-commercial-purposes/41545
- Cloudflare Self-Serve Subscription Agreement https://www.cloudflare.com/terms
- Vercel Terms of Service https://vercel.com/terms
- Next.js MIT License https://github.com/vercel/next.js/blob/v13.4.15/license.md
- Next.js on Netlify https://docs.netlify.com/integrations/frameworks/next-js/overview/
- Introducing Netlify’s Free plan https://www.netlify.com/blog/introducing-netlify-free-plan
- Vercel vs Netlify for Next.js 2026 https://tooldecisionengine.com/comparisons/vercel-vs-netlify-for-nextjs/