この記事についてClaude(Anthropic)との共同編集により作成されました。
要約
- 自分の願いを書いて 3D の木札にし、その絵馬の QR コードを印刷して机やノートに貼り、行動するたびにスキャンする、というデジタル絵馬 ema を作って公開した
- 参拝の回数が、自分が願いに向かって行動した回数として木札に積み上がっていく
- 行動が止まると参拝も止まり、参拝されない絵馬は自然に消える
- 一度奉納したら編集も削除もできない(神社の絵馬と同じ扱い)
- 入り口ページ(/ema/)とアプリ本体(https://ema.hira-euclid-norm-root2.workers.dev/)の両方から使える
- ホスティングは Cloudflare Workers + KV。PWA としてホーム画面に置ける
「願いごとを書いて、その願いに向かって動くたびに、その回数を自分のためだけにカウントしておきたい」、そういう小さな道具がほしくて作りました。
名前は ema(絵馬)。神社で木の札に願いを書いて掛けてくる、あの儀式をブラウザに持ってきて、自分の手帳や机に常駐させたい、というアプリです。
公開 URL:
- 入り口ページ(このブログ内): /ema/
- アプリ本体: https://ema.hira-euclid-norm-root2.workers.dev/

どういうアプリか
ema でできることは少ないです。
- 自分の願いを書く
- 木札の姿で奉納する(書いた瞬間に確定、以降は編集不可)
- 発行された URL と QR コードを受け取る
- QR を印刷して、机やノートや手帳に貼る
- 願いに向かって何か行動したときに、スマホでその QR をスキャンする
- 参拝の回数(= 自分が行動した回数)が、絵馬ページに積み上がっていく
- しばらく参拝しない(= 行動しない)と、絵馬は自動で消える
それだけです。「いいね」も「コメント」も「タイムライン」も「ストリーク」も「達成率」もありません。 願いとそれに向かう行動を、絵馬一枚と参拝回数だけで結ぶ作りになっています。
使い方 — 4 ステップ
Step 1. 書いて、確かめて、奉納する
ema を開くと、入力欄が一つだけある画面が出てきます。 ここに、自分が叶えたい願いを一行で書きます。
「絵馬にする」を押すと、書いた願いが縦書きの 3D 木札に立ち上がってプレビューされます。

ここはまだ「奉納前」の状態。戻って書き直すこともできます。 木札の姿で見直すこと自体が、書いたものを自分から少し離す手前の儀式になっています。
「奉納する」を押すと、その瞬間に願いは確定します。 以降、編集も削除もできません。 神社の絵馬と同じ扱いを意図して制約に入れてあります。
奉納の瞬間に、その絵馬専用の URL と QR コードが発行されます。
Step 2. QR を印刷して、見える場所に貼る
ここが ema の本番です。
発行された QR コードを印刷して、自分が一日に何度も視界に入る場所に貼ります。
- 仕事机の隅
- ノートや手帳の表紙
- 冷蔵庫
- モニターの脇
- ジムのロッカー
- 楽器のケース
「その願いに向かって動くときに、自然に視界に入る場所」を選ぶのがコツです。願いごとに置く場所が違っていてもいい。むしろ違うほうが自然です。
Step 3. 行動したらスキャンする
その願いに向かって何かを一つ進めたら、貼ってある QR をスマホでスキャンします。 スキャンするとブラウザでその絵馬ページが開いて、参拝回数が一つ増えます。
たとえば:
- 「資格に合格する」 → 参考書を開いた、過去問を一問解いた、模試を受けた、ごとに
- 「絵を上達させる」 → ペンを握った日ごとに
- 「ランニングを続ける」 → 走った日ごとに
- 「本を一冊書き上げる」 → 一段落書いたごとに、章を書き終えたごとに
スキャンの粒度は自分で決めて構いません。一日一回でも、行動一回ごとでも。 細かく刻むと回数が増えて気持ちがいいけれど、粗く刻むと一回一回の重みが上がります。願いの性質に合わせて選びます。
Step 4. ときどき木札を眺める
絵馬ページには「参拝されました ○ 回」と表示されます。 誰かが褒めてくれるわけではなく、ただ自分が動いた回数が静かに積み上がっています。
これを意識的に眺める時間を作るとよくて、たとえば週末に一度開いて「今週は何回参った絵馬だったか」を見るだけで、自分との約束が継続しているかどうかが一目で分かります。
行動しなくなった願いは、消える
ema には一つだけ、自分への弱い圧をかける仕組みが入っています。
参拝されないまま時間が経った絵馬は、自動的に消えます。 スキャンを忘れて放っておけば、つまりその願いに対応する行動が止まっていれば、木札は静かに外れる。
消えた絵馬の URL を踏むと、エラー画面ではなくて、ただ一行こう書かれたページが返ります:
いまはもう、ここにはありません。
これはやめる選択を否定するためではなく、続けるなら残る・やめれば自然に去る、というニュートラルな仕組みです。 やめた願いが半端にデータベースに残り続けて気が重い、ということを避けたかった。神社の絵馬も時期が来れば外されます。それと同じ振る舞いを再現しています。
思想は別のページに書いた
「投稿ではなく存在」「編集できない」「URL を知っている人だけが主人」「儀式インターフェース」、こうした設計の理由は記事ではなく入り口ページにまとめてあります。 気になる人は /ema/ のほうを読んでみてください。
ここでは一段落だけ触れておくと、SNS でも Todo アプリでもお守りアプリでもない「願いと行動の間にだけ立つ静かな装置」が欲しかった、というのが出発点でした。 タイムラインに乗らず、コーチもいなくて、自分の動きだけが木札の上に刻まれていく。そういう場所が他にない気がしたので作りました。
誰かと共有することもできる
主用途は自分用ですが、絵馬の URL や QR は普通の Web ページなので、誰かに渡すこともできます。
- 家族で同じ目標に向かう絵馬を一枚立てて、家の中の見える場所に QR を貼っておく
- 応援したい相手に絵馬の URL を渡して、見守りに参拝してもらう
- 受験生の合格祈願を、本人と家族と先生で共有する
ema には一覧ページも検索もないので、URL を渡された人だけがその絵馬にたどり着けます。意図して小さな範囲だけで共有が起きるようになっています。
技術構成
ホスティングは Cloudflare Workers(Static Assets)。データは Cloudflare KV に置いています。 願いは KV に保存されていて、最終アクセスから時間が経つと TTL で自動的に消える、という作り。「跡形なく消える」を真面目にやりたかったので、削除フラグではなく完全消滅です。
絵馬ページに表示する QR コードは qrcode-svg で inline SVG として埋め込み。画像生成を外部に投げず、ページの中で完結させてあります。印刷したときに荒れないように SVG にしているので、A4 にどんと大きく印刷しても綺麗に出ます。
Cloudflare で動かしたかった理由はホスティング比較記事に書いたとおりで、無料で帯域幅無制限・商用 OK・アプリ部分とデータ層が同じ管理画面に収まる、という条件で素直だったから。
PWA としてホーム画面に置ける
ema は PWA としてマニフェストとアイコンを用意してあるので、スマホでブラウザから「ホーム画面に追加」するとアプリのように開けます。
ホーム画面のアイコンから絵馬ページに飛んでスキャン回数を確かめる、新しい願いを奉納する、というのが、ブラウザを意識せずに完結します。
直ブクマしてもらって構わない
入り口ページ /ema/ を経由しなくても、アプリ本体(https://ema.hira-euclid-norm-root2.workers.dev/)を直接ブックマークしてもらって構いません。
入り口ページは、思想の説明が欲しい人や、英語版を見たい人、関連記事を辿りたい人のためのページです。実際に使うフェーズに入ったらアプリ本体だけで完結します。
ema 側にゆるディープへの誘導は仕込んでいません。tobari や souten と同じく、ブログ側で説明と思想を語り、アプリ側は静かにしている、というロール分担です。
今後の予定
ema にはアプリ内に小さな掲示板を一つだけ用意してあって、そこには「願いを書くための道具」(ノートとペン)が並んでいます。儀式空間を壊さないように、商品の選び方と並べ方にはこだわって作りました。普通の EC 文言(「人気」「ベストセラー」「星 5 つ」)は使っていません。 このあたりの設計の話、それから「お祭り」のような短期 TTL イベントの構想、消えた絵馬への応答文の作り方など、もう少し思想寄りの話は別途 note に書く予定です。
おわりに
願いを、現実に、結ぶ。
ema はそれだけのアプリ。 願いと、それに向かう自分の行動を、絵馬一枚と参拝回数だけで結ぶ、という小さな道具を作った、という話でした。
QR コードを印刷して、机やノートに貼って、今日から動いた回数を木札に刻んでみてください。
入り口は /ema/ です。