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Claude Code・Codexにスライドを作らせるならどのツール? Slidev・Marp・ppt-master・公式Skillを比較【2026年9月版】
この記事について

Claude(Anthropic)との共同編集により作成されました。

要約
  • 半年前(2026年2月)は「人が書き、AIに部分的に直してもらう」前提で、AI編集に最も向くのは Marp という結論だった。いまはエージェントがスライドを丸ごと作り、PNG にレンダリングして自分で見て直すところまで回すのが普通になり、評価の前提が変わった
  • Markdown で技術スライドを作るなら、第一候補は Slidev に移った。公式の Agent Skill・MCP サーバ・llms.txt がそろい、編集可能な PPTX(--format pptx-editable)も出せるようになった。Marp は軽くてトークン消費が少ない「軽量枠」になった
  • 相手に編集可能な PowerPoint で渡すなら ppt-master が最有力。SVG を経由してネイティブの図形を作る OSS で、見栄えとあとから直せることを両立している。ただしセットアップが重く、10〜15ページで10〜20分かかる
  • 「PPTX に出せる」には画像を貼っただけのものと、ネイティブで編集できるものの2種類がある。Slidev の pptx、Marp の --pptx、Gemini Notebook の PPTX は前者
  • うまくいっている人は、ツール選びよりスタイルガイド・レイアウト集・レンダリング確認ループの3点セットを作ることに力を入れている

Claude Code に「勉強会用のスライドを作って」と頼むと、とりあえず何かは出てくる。ただ、出てきたものが地味だったり、文字がはみ出していたり、PPTX で渡したら相手が1文字も直せなかったりする。どのツールを使わせるかで、このあたりの当たり外れがかなり変わる。

半年前にも一度、エンジニア向けのスライド作成ツールを比較した。そのときの結論は「AI で編集するなら Marp」だった。ところが、この7か月でツール側がエージェントに使われる前提で作られるようになり、結論が変わった。ここでは、Claude Code や Codex CLI などのエージェントと組むことを前提に、調べ直した結果をまとめる。数値(GitHub スター数・バージョン)は、特記がない限り 2026-09-26 時点のもの。

なお、候補のうち Slidev と ppt-master を同じ題材で実際に作り比べた話は、別記事に分けた。


半年前の結論:人が書いてAIが直すなら Marp だった#

2026年2月の時点では、対象を「人が Markdown を書き、ChatGPT や Cursor に部分的に直してもらう」使い方に置いていた。評価軸は Markdown の純度・学習コスト・AI に指示の出しやすさで、ランキングはこうなった。

順位ツール当時の評価
1Marp純粋な Markdown で完結し、「スライド3のコードを直して」がそのまま伝わる
2SlidevMarkdown ベースで編集しやすいが、Vue コンポーネント部分は指示が複雑になる
3reveal.jsHTML と Markdown が混在し、指示が複雑になりがち
4MDX DeckJSX が混ざり、React の知識も要る
対象外Deckset、AI統合型ツール(Gamma など)Deckset は GUI アプリなので自動化が困難。AI統合型は「AI が生成する」ツールで、「AI で編集する」用途とは別物

「人が主、AI が従」なら、この整理は今でもそれほど間違っていない。変わったのは、主従が逆転したことだ。


この7か月で何が変わったか#

変化具体例
ツールに公式 Skill・MCP が付くようになったSlidev(Skill と MCP)23、Deckset(AI Slide Builder Skill)13、Gamma・Canva・Pitch(MCP)333435、Google Slides MCP(Developer Preview)32
編集可能な PPTX を作る手段が増えたppt-master16、Slidev pptx-editable1、open-slide12、PPTAgent25、Presenton26
レンダリングして目で確かめるループが標準になったAnthropic pptx Skill(LibreOffice → PDF → 画像)20、ChatGPT・Codex のプレゼン機能24、Marp 実践記事の Playwright 検証37
画像生成モデルでスライドを作る流れが出てきたGemini Notebook(旧 NotebookLM)の Slide Decks29
HTML で1枚ものの deck を作る Skill が人気になったfrontend-slides(約3万スター)27、guizang-ppt-skill(約2.7万スター)28
古いツールの整理が進んだFusuma はアーカイブ14、MDX Deck は実質停止15、Tome はスライド製品を終了45

前回の対象外だった2つも立場が変わった。Deckset はコーディングエージェント向けの Skill を公式に配布していて、ソースは Markdown なのでエージェントから普通に扱える13。Gamma などの SaaS も API や MCP を出し、エージェントから呼べる部品になった。


評価軸を入れ替えた#

Markdown の純度や学習コストはエージェントにとってあまり関係ない。代わりに、次の6つで見ることにした。

  1. ソースがテキストか: エージェントが直接読み書きでき、Git で差分を取れるか
  2. ヘッドレスで自己検証できるか: CLI で PNG や PDF にレンダリングし、エージェントが自分で見て直せるか
  3. 公式の AI 連携があるか: Agent Skill・MCP・llms.txt などが用意されているか
  4. PPTX にしたとき編集できるか: 画像を貼っただけか、ネイティブの図形とテキストか
  5. 再現性: 同じ入力から同じ出力が得られるか、正本がクラウドにしかない状態になっていないか
  6. ライセンス・機密性: AGPL やプロプライエタリの有無、データが外部に出るかどうか

特に2番目が効く。エージェントに作らせたスライドの品質は、「作る → 画像にする → 見る → 直す」のループを何回回せるかでほぼ決まる。このループを CLI 一発で組めるかどうかで、同じ Markdown 系でも差がつく。


Markdown・コード系:第一候補は Slidev に移った#

Slidev:公式の AI 対応がいちばん厚い#

v53.0.0(2026-09-16)、スター約4.9万。2025年11月から2026年9月までに約30回リリースしていて、非常に活発だ4。

  • 公式 Agent Skill: npx skills add slidevjs/slidev で入る。Claude Code のプラグインマーケットプレイスにも対応している2
  • 組み込み MCP サーバ(v52.17.0〜): dev サーバ起動中は http://localhost:<port>/__mcp で使える。スライドの一覧・取得・更新・挿入・削除・移動・表示ページの切り替えができる。ただしスクリーンショットを撮るツールは含まれない3
  • llms.txt: https://sli.dev/llms.txt がある2
  • 自己検証: slidev export --format png --range N で、指定したページだけをヘッドレスで PNG にできる1
  • PPTX 出力: 従来の --format pptx はスライドを画像にして貼るだけで、テキストは選択できない。v52.20.0 で入った --format pptx-editable は、ブラウザ上の要素を測ってネイティブの図形・テキストとして組み直す。ただし SVG(Mermaid やアイコン)、KaTeX、CSS グラデーションなどは画像のまま残り、フォントは埋め込まれない1

弱みは、Node 22.12 以上と Playwright が必要なことと、凝ったレイアウトを作るには Vue と UnoCSS の知識が要ること。前回は「セットアップが重い」を減点にしたが、今はそのセットアップもエージェントがやってくれるので、実質的な負担はかなり下がった。

Marp:軽くて書かせやすいが、AI 向けの機能は増えていない#

marp-cli v4.5.1(2026-09-06)、スター約3,8005。

  • 公式の AI 連携は、VS Code 拡張で入った「Copilot エージェントから export コマンドを呼べる」機能と、はみ出し警告(実験的・VS Code 内でのみ動作)くらい6。llms.txt はない。MCP や Skill はコミュニティ製のものがある
  • marp --images png でページごとの PNG を出せるので、自己検証ループは組める
  • --pptx は画像を貼るだけ。--pptx-editable は今も実験的で、LibreOffice が必要、発表者ノートは出せない。README 自身が「見た目を保ちたいなら勧めない」と書いている5

1ファイルの Markdown で完結し、トークン消費も小さい。この強みは半年前から変わっていない。ただ、エージェントに見た目まで任せると地味になりやすい(後述)。

reveal.js:llms.txt に対応したが、検証ループは組みにくい#

6.0.0(2026-03-11)で大きく刷新され、公式の React ラッパー、Vite ビルドへの移行、公式サイトの llms.txt 対応が入った。スター約7.2万7。一方で公式の CLI エクスポートがなく、PDF はブラウザで印刷するか、サードパーティの DeckTape を使う8。エージェントに自分で確認させるループを組むのが、Slidev や Marp より面倒だ。

そのほかのフレームワーク#

ツール向いている場面メモ
Quartoデータ分析の発表R・Python・Julia のコードセルをその場で実行して図表を作れる。出力は revealjs・pptx・beamer9
Typst + Touying数式の多い発表・論文紹介typst compile で全ページを数ミリ秒で PNG にでき、確認ループが最速。PPTX は出せない10
presentermターミナルで発表したいコード実行、Mermaid・数式に対応。--validate-overflows ではみ出しを検出できる11
open-slide人の指摘をエージェントに渡したい2026年4月公開。1枚ごとに TSX を書く方式。ブラウザ上の要素にコメントを付けて /apply-comments で反映させるループが最初から組み込まれている。まだ若い12

MDX Deck は npm の最終版が2020年で実質停止15、Fusuma は2024年12月にアーカイブ14、Remark も2020年から休眠している。前回比較に入れていたが、新しく採用するのは避けたほうがいい。


PPTX を直接作るツール:編集可能性なら ppt-master#

ppt-master:見栄えと編集可能性を両立する OSS#

PDF・DOCX・URL・Markdown などを材料に、ネイティブ図形で編集できる PPTX を作るワークフロー(Skill)16。MIT ライセンス。2025年12月に公開され、約9か月でスター約5.6万という異例の伸び方をしている。最新は v6.6.0(2026-09-19)で、ほぼ毎週リリースがある。

仕組みはこうだ1719。

  • AI が「制約付きの SVG」を書き、スクリプトがそれを DrawingML(PowerPoint のネイティブ形式)に変換する。SVG は ppt-master 専用の中間言語という位置づけ
  • Strategist → Image_Generator → Executor と役割を切り替えながら、一つのエージェントが1ページずつ順番に作る。並列にしないのは、deck 全体の文脈を共有して見た目のブレを防ぐため
  • 最初にデザイン仕様をユーザーに確認させる止めどころ(BLOCKING ゲート)がある

グラフや表は既定では「編集できる図形」として描かれ、--native-charts-and-tables を付けるとネイティブのチャートと表になる。Claude Code・Codex CLI・Cursor・Gemini CLI などで動き、FAQ では Claude を「推奨かつ最もテストされているモデル」としている18。

注意点も多い。

  • Python 3.10 以上の環境が必要で、非エンジニアには敷居が高い
  • 1ページずつ順に作るため、10〜15ページで10〜20分かかる。トークンも多く使う18
  • 公式 FAQ 自身が「高品質な編集可能たたき台であって、完成品ではない」と書いている18
  • 日本語フォントを指定しないと欧文フォントにフォールバックするという報告がある43
  • PDF の読み込みに使う PyMuPDF は AGPL-3.0。社内ツールとして再配布するなら確認が要る16

Anthropic pptx Skill:Claude 標準のやり方#

新規作成は PptxGenJS のスクリプトを書き、既存 deck の編集は unzip して XML を直接いじる。検証はスキーマチェックと、LibreOffice で PDF にしてから画像にする目視 QA20。以前は HTML → PPTX(html2pptx)方式が中心だったが、2026年2月の PR #330 で PptxGenJS 中心に切り替わった22。「pptx Skill は html2pptx 方式」と書いている記事は古い情報だ。

手軽で、テンプレートへの流し込みにも強い。一方で「地味で文字の多いスライドになりがち」という評価も多い40。なお pptx などの Office 系 Skill は OSS ではなく source-available で、抽出や派生物の作成は禁止されている21。

OpenAI Codex / ChatGPT のプレゼン機能#

ChatGPT と Codex に、Google Slides と PowerPoint を作成・編集・プレビューする機能がある。スライド計画 → 構築 → レンダリングして検証、という流れで進む24。GitHub の openai/skills には一時期 slides Skill があったが、2026年4月に削除され、リポジトリ自体も deprecated になっている23。「Codex には slides Skill が組み込み済み」と書く記事もあるが、一次ソースでは確認できなかった。

そのほか#

研究発の PPTAgent は、HTML を書く → 画像にしてレビュー → 編集可能な PPTX に変換、という流れの Skill を Claude Code・Codex 向けに公開している25。Presenton は Gamma 的なサービスをセルフホストできる OSS で、Ollama などのローカル LLM も使えるので機密資料に向く26。


HTML・画像生成系:見栄えと引き換えに何かを失う#

見栄えを最優先するなら、HTML・CSS・JS で自由にデザインさせるのが強い。frontend-slides(MIT、約3万スター)は依存ゼロの単一 HTML を出し、3種類のスタイル見本から選ばせる27。ブラウザで開けばそのまま発表でき、GitHub Pages で公開しやすい。ただし PowerPoint で受け取りたい相手には向かない。guizang-ppt-skill など人気の HTML 系 Skill には AGPL-3.0 のものもあるので、社内で改変・配布するならライセンスを確認したほうがいい28。

画像生成モデルでページ全体を1枚の絵として作る方式は、さらに見栄えがいい代わりにテキストが編集できない。Gemini Notebook(旧 NotebookLM)の Slide Decks は無料で品質も高く PPTX も出せるが29、その PPTX は1枚ごとの画像で、文字は直せない30。要約資料の下書きには便利、という位置づけだ。


SaaS も API・MCP で呼べる部品になった#

前回は参考程度に並べただけだったが、多くが API や MCP を公開したので、エージェントから呼び出せる部品として見直した。主なものだけ挙げる。

サービスエージェントからの操作手段補足
GammaREST API、hosted MCP、Claude・ChatGPT コネクタ33連携はいちばん充実している。生成結果は毎回変わり、正本はクラウド側にある
CanvaAI Connector(MCP)34ブランドテンプレートを使う機能は Enterprise 限定
PitchMCP と API(2026年8月)35テンプレートに変数を流し込む Deterministic モードがあり、再現性が高い
Google SlidesSlides MCP(Developer Preview、2026年7月〜)32batchUpdate の JSON を残せば再現できる。Workspace の中で完結する
Claude for PowerPointPowerPoint アドイン(GA)31スライドマスターやフォントを読み取って、テンプレートに沿って編集する
Microsoft 365 CopilotPowerPoint Agent(2026年4月 GA)36PowerPoint の中で完結する。外部から操作できる公開 API は見当たらなかった

SaaS はデータが外に出る点だけは押さえておきたい。アカウント不要の MCP のように、生成した deck が共有 URL に残るサービスもあるので、機密資料には使わない。


比較表#

★は5段階。一次情報と実践記事をもとにした相対評価で、実測によるベンチマークではない。

ツールソースがテキストヘッドレス自己検証公式 AI 連携PPTX 編集性見栄え(任せた場合)費用・ライセンス
Slidev★★★★★★★★★★★★★★★★★★☆☆★★★☆☆無料 / MIT
Marp★★★★★★★★★★★★☆☆☆★★☆☆☆★★☆☆☆無料 / MIT
reveal.js★★★★☆★★☆☆☆★★☆☆☆★☆☆☆☆★★★★☆無料 / MIT
Quarto★★★★★★★★☆☆★★★☆☆★★★★☆★★☆☆☆無料 / MIT
Touying★★★★★★★★★★★★☆☆☆☆☆☆☆☆★★★☆☆無料 / MIT
open-slide★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆★★★★☆無料 / OSS
ppt-master★★★☆☆★★★★☆★★★★☆★★★★★★★★★★無料 / MIT(モデル利用料は別)
Anthropic pptx Skill★★★★☆★★★★☆★★★★★★★★★★★★★☆☆Claude プラン / プロプライエタリ
frontend-slides★★★★☆★★★★☆★★★★☆☆☆☆☆☆★★★★★無料 / MIT
Gamma★☆☆☆☆★★☆☆☆★★★★★★★★☆☆★★★★☆Free〜有料
Gemini Notebook☆☆☆☆☆―☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆★★★★☆無料枠あり

素のまま任せると、Markdown 系は見た目で負ける#

第三者の比較でいちばん分かりやすかったのが、Happycapy の「Skill Arena: Slides」だ41。Claude Sonnet 5 で3つの課題を作らせ、2人の審査員がブラインドで評価している(公開日と評価手順の詳細は不明)。

Skillスコア
frontend-slides8.2
reveal.js8.0
Anthropic pptx7.3
MiniMax pptx-generator7.2
Slidev5.0
Marp3.8

見た目の点では、HTML やコードで書く方式が Markdown 系を上回った。一方でトークン消費は frontend-slides が約6.3万、Marp が約6,000で、約10倍の開きがある。

エージェント中心の作業では、ソースをエージェントが直接書けるテキスト形式がいちばん強く、Office ファイルが必要なときだけ PPTX ライブラリを使えばよい、という整理もある42。上のスコアは「素の状態で任せた場合」の評価で、次に書く仕組みを人が用意すれば Markdown 系の品質は大きく上がる。


うまくいっている人はツールより仕組みを作っている#

国内の実践記事を読むと、成功している人の共通点はツールではなく、スタイルガイド・レイアウトパターン集・レンダリング確認ループの3点セットだった。

リポジトリ構成の例
├── CLAUDE.md / AGENTS.md # 作成ルール(1スライド1メッセージ、文字数上限など)
├── theme.css # テーマ
├── layouts/ # レイアウトパターン集
├── .claude/skills/
│ ├── slide-create/ # 構成と本文の作成
│ ├── slide-review/ # 内容のレビュー
│ └── layout-fix/ # PNG にレンダリング → はみ出しを検出 → 修正
└── slides.md
  • hirokidaichi 氏は、スタイルガイドと40種類のレイアウトパターンを用意したうえで、Playwright のスクリーンショットではみ出しを自動修正している。「人間が設計した仕組みの中でAIが動く形が現時点では最も効果的」とまとめている37
  • Loglass の記事では、30種類以上のコンポーネントを持つ theme.css と、文字数やレイアウトの規則を検査するコマンドを用意し、スマホから GitHub 経由で Claude に作らせている38
  • Insight Edge の記事は、PPTX 側で同じことをやっている。デザインはヘルパー関数の中に固定し、AI はどの関数にどのデータを渡すかだけを決める。11pt 以下の文字は例外を投げて止める。これで作業時間が約6割減ったという39

AI にデザインさせるのをやめるという方向に、Markdown 派も PPTX 派も収束しているのが面白い。


よくある落とし穴#

落とし穴内容対策
はみ出し・レイアウト崩れほぼすべての実践記事で報告されているレイアウトの選択肢を絞る。PNG にして見させる。最小フォントサイズなどを機械的にチェックする3739
ブラウザと PowerPoint の差HTML のプレビューでは問題なくても、PPTX にすると改行位置が変わる1最終形式でレンダリングして確認する(LibreOffice → PNG など)20
「PPTX に出せる」の中身Slidev の pptx、Marp の --pptx、Gemini Notebook の PPTX は画像を貼っただけ1530相手が編集するなら、ネイティブで出せるツール(ppt-master、pptx Skill、pptx-editable)を選ぶ
日本語フォントCI で PDF にすると豆腐(□)になる。PPTX はフォントを埋め込まないので、受け取った側で置き換わるNoto Sans JP などを入れておく。游ゴシック・メイリオなど相手の環境にある和文フォントを明示する
会社テンプレートを守らないプロンプトの指示がテンプレートのフォントや色を上書きしてしまう44マスターのプレースホルダーに流し込むか、デザインをコード側に固定する39
トークン消費HTML 系は Markdown 系の約10倍41。ppt-master は1ページずつ作るので遅い18構成は Markdown で固めてから清書に移る。大きな deck は分割して作る
数字の捏造存在しない統計値が紛れ込む44数値は元データから差し込む。レビュー用のサブエージェントに出典を照合させる
機密データSaaS や匿名 MCP ではデータが外部に出るローカルで完結する OSS を使う。ただし ppt-master などもモデルの API にはデータを送る

用途別のおすすめ#

用途第一候補理由
勉強会・LT・技術登壇Slidev + 公式 Skill + MCP公式の AI 対応が厚く、export --format png で自己検証ループを組める。コードの段階ハイライトなど技術発表向けの機能も強い
同上で軽さ優先Marpトークン消費が一桁少なく済むこともある。見た目は theme.css とレイアウト集で補う
非エンジニアに PPTX で渡す資料まず Anthropic pptx Skill か Codex、足りなければ ppt-masterppt-master で編集可能なたたき台を作り、最後の仕上げは人が PowerPoint でやる
同じ形式の資料を量産python-pptx / PptxGenJS + デザイン固定のヘルパー関数AI にデザインさせず、データの流し込みだけを任せる39
会社の公式テンプレート必須Claude for PowerPoint、Microsoft 365 CopilotPowerPoint の中で完結するので、ガバナンスをかけやすい
見栄え最優先の一回きりの発表frontend-slides、GammaPowerPoint で渡す必要がないなら HTML 系がいちばん映える
数式の多い発表・論文紹介Typst + Touying、QuartoTouying は確認ループが最速
機密情報を含む資料Slidev / Marp をローカルで、または Presenton + ローカル LLMデータを外に出さない

Slidev と ppt-master は実際に作り比べた#

表の上では、技術登壇なら Slidev、編集可能な PPTX なら ppt-master になる。ただ、机上の比較だけでは「エージェントに任せたとき、どんなスライドが出てくるか」は分からない。そこで、この記事の元になった調査資料を題材に、両方で勉強会用の要約スライドを作ってみた。

結果として、ppt-master は推奨設定のままだと1枚あたりの文字量が Slidev 版の約5倍になり、自分の発表スタイルには Slidev のほうが合っていた。詳しくはこちらの記事に書いた。


まとめ#

  • 半年前は「人が書いて AI が直す」前提で Marp を推していた。エージェントがスライドを丸ごと作り、自分で見て直す時代になって、前提が変わった
  • Markdown の第一候補は Slidev に移った。公式 Skill・MCP・llms.txt・pptx-editable がそろい、PNG での自己検証も CLI 一発でできる。Marp は軽量・低コスト枠になった
  • 編集可能な PowerPoint が必要なら ppt-master。ただし重く、遅く、あくまでたたき台
  • 「PPTX に出せる」は、画像を貼っただけのものとネイティブで編集できるものを区別して見る
  • どのツールを選んでも、品質を分けるのはスタイルガイド・レイアウト集・レンダリング確認ループの3点セット

この分野は変化が速い。ppt-master は毎週リリースがあり、Slidev もこの1か月でメジャーバージョンが上がっている。導入前には公式ページで最新の状態を確認してほしい。


参考文献#

  1. Slidev — Exporting https://sli.dev/guide/exporting
  2. Slidev — Work with AI https://sli.dev/guide/work-with-ai
  3. Slidev — MCP Server https://sli.dev/features/mcp
  4. Slidev Releases https://github.com/slidevjs/slidev/releases
  5. marp-cli(README) https://github.com/marp-team/marp-cli
  6. Marp for VS Code CHANGELOG https://github.com/marp-team/marp-vscode/blob/main/CHANGELOG.md
  7. reveal.js 6.0.0 Release https://github.com/hakimel/reveal.js/releases/tag/6.0.0
  8. reveal.js — PDF Export https://revealjs.com/pdf-export/
  9. Quarto — Presentations https://quarto.org/docs/presentations/
  10. Touying Releases https://github.com/touying-typ/touying/releases
  11. presenterm https://github.com/mfontanini/presenterm
  12. open-slide https://github.com/open-slide/open-slide
  13. Deckset — AI Slide Builder Skill https://docs.decksetapp.com/English.lproj/ai-skill.html
  14. Fusuma(archived) https://github.com/hiroppy/fusuma
  15. MDX Deck https://github.com/jxnblk/mdx-deck
  16. ppt-master https://github.com/hugohe3/ppt-master
  17. ppt-master — Technical Design https://github.com/hugohe3/ppt-master/blob/main/docs/technical-design.md
  18. ppt-master — FAQ https://github.com/hugohe3/ppt-master/blob/main/docs/faq.md
  19. ppt-master — SKILL.md https://github.com/hugohe3/ppt-master/blob/main/skills/ppt-master/SKILL.md
  20. Anthropic pptx Skill(SKILL.md) https://github.com/anthropics/skills/blob/main/skills/pptx/SKILL.md
  21. anthropics/skills(README・ライセンス) https://github.com/anthropics/skills
  22. anthropics/skills PR #330 https://github.com/anthropics/skills/pull/330
  23. openai/skills(deprecated) https://github.com/openai/skills
  24. ChatGPT — Generate slide decks https://learn.chatgpt.com/use-cases/generate-slide-decks
  25. icip-cas/PPTAgent https://github.com/icip-cas/PPTAgent
  26. presenton/presenton https://github.com/presenton/presenton
  27. zarazhangrui/frontend-slides https://github.com/zarazhangrui/frontend-slides
  28. op7418/guizang-ppt-skill https://github.com/op7418/guizang-ppt-skill
  29. Gemini Notebook Help — Slide Decks https://support.google.com/gemininotebook/answer/16757456?hl=en
  30. TECH NOISY「NotebookLM スライドのプロンプト修正と PPTX エクスポート」(2026-02-21) https://tech-noisy.com/2026/02/21/notebooklm-slide-prompt-revision-pptx-export-guide/
  31. Claude for PowerPoint https://claude.com/docs/office-agents/powerpoint
  32. Google Slides MCP Reference https://developers.google.com/workspace/slides/api/reference/mcp
  33. Gamma MCP Server https://developers.gamma.app/mcp/gamma-mcp-server
  34. Canva AI Connector https://www.canva.com/ai-connector/
  35. Pitch — Introducing Pitch MCP and API https://pitch.com/whats-new/introducing-pitch-mcp-and-api
  36. Microsoft — Copilot agentic capabilities GA(2026-04-22) https://www.microsoft.com/en-us/copilot/blog/2026/04/22/copilots-agentic-capabilities-in-word-excel-and-powerpoint-are-generally-available/
  37. hirokidaichi「AIエージェントと協働してmarpでスライドを作る2026」(Qiita, 2026-01-30) https://qiita.com/hirokidaichi/items/243bd176b84900f4cc0d
  38. r.kagaya「登壇スライド作成もClaude Codeに任せたい」(Zenn / Loglass, 2025-07-02) https://zenn.dev/loglass/articles/a8b4b069c09002
  39. Insight Edge「PowerPoint自動生成でAIにデザインさせるのをやめた:Claude Code × python-pptx」(2026-08-31) https://techblog.insightedge.jp/entry/powerpoint-auto-generation
  40. Kaiminnn「Claude Code / Codexでパワポを作るなら何を使う?おすすめSkill整理」(note, 2026-06-30) https://note.com/matomechannel/n/ne04c425cecdc
  41. Happycapy — Skill Arena: Slides https://happycapy.ai/skill-arena/slides
  42. Nic’s notes「HTML Presentations for Agentic Workflows」(2026-06-14) https://notes.nicolasdeville.com/ai/agentic-presentations/
  43. ゆいまる「『ppt-master』最新アプデまとめ」(note, 2026-06-29) https://note.com/humble_bobcat51/n/nb415a865db48
  44. Kota Matumoto「AIスライド作成の最適解を探る — 4大ツール比較とClaude実践パターン設計【2026年版】」(Zenn, 2026-02-14) https://zenn.dev/mjinia/articles/cef5337a4f177f
  45. VentureBeat「Tome’s founders ditch viral presentation app」 https://venturebeat.com/ai/tomes-founders-ditch-viral-presentation-app-with-20m-users-to-build-ai
Claude Code・Codexにスライドを作らせるならどのツール? Slidev・Marp・ppt-master・公式Skillを比較【2026年9月版】
https://yurudeep.com/posts/aicoding/2026/20260926/
作者
ひらノルム
公開日
2026-09-26
ライセンス
CC BY-NC-SA 4.0